歯周病の原因は、歯や歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)に付着した歯石やプラーク(歯垢)です。そのため歯周病治療では歯石・プラークを取り除くことが大切であり、治療の過程で複数回にわたり、それらを除去する処置を行います。
この処置は主に歯科衛生士が行いますが、当院では患者さま一人ひとりに担当の歯科衛生士をお付けして治療を進めていきます。毎回、同じ衛生士が担当することでお口の中の変化にも気づきやすくなる上に、よりきめ細やかなケアが可能です。また、ご家庭での正しい歯みがきの方法も、担当の衛生士がお教えします。
通常の歯周病治療では、「歯周病が既に進行している」「炎症が強い」という方の場合、痛みを感じることも少なくありません。そこで当院では、飲み薬を使った痛みの少ない歯周病治療「歯周内科治療」を行っています。
歯周内科治療は、飲み薬を服用することでお口の中の歯周病菌を減らし、症状を改善していく治療法です。歯周病菌が減ることで歯ぐきの炎症が治まるため、歯石を除去する際にも痛みや刺激を感じにくくなります。患者さまのお体への負担を軽減し、さらに治療期間を短くすることが可能な治療法です。
※歯周内科治療は保険適応外です。
初めに、お口の中の状態やお口の中にいる歯周病菌の種類・数を把握するために、位相差顕微鏡を用いたプラーク(歯垢)検査、リアルタイムPCR法(細菌DNA検査)などを行います。これらの検査によって、患者さまは自分自身のお口の中の状態や、実際に歯周病の原因となっている菌を把握できます。原因菌への直接的なアプローチを可能にする重要な検査です。
検査結果を詳しくご説明します。また検査結果をもとに、歯周病菌を減らすためのお薬である抗菌剤(抗生物質)と、歯周病を悪化させるカビ菌を減らす効果が高い抗真菌剤の中から、患者さまの治療に適切なものを処方します。
お薬の内服とご自宅での正しい歯みがきによる治療を終えた後、歯周病の症状が改善しているか確認し、【1】と同じ検査によって歯周病菌の状態を調べます。
この後、歯科衛生士が歯周病の原因となる歯石やプラークを除去する治療を行います。この際には、まず超音波の振動で硬い歯石を壊しながら除去する「超音波スケーラー」と呼ばれる機器を使用。手で行うよりも、短時間かつ効率よく除去することが可能です。さらに殺菌効果が期待できる水「EO水」を使って洗浄を行うことで、より治療効果を高めます。
歯ぐきの炎症の強い方に対しては、歯の表面や根の部分にこびりついた硬い歯石をプロのテクニックできれいに除去。この処置に先端が鋭い専用器具を使用するため、歯周病治療は「痛い治療」だと思われがちですが、歯周内科治療を併用する場合、飲み薬の効果で歯ぐきの炎症が治まっているため、痛みが軽減されます。
治療名:歯周内科治療
治療の説明:抗生物質などの薬剤を内服して行う歯周病の内科的治療法。お薬を服用する前に、位相差顕微鏡検査による検査、リアルタイムPCR検査を行ったうえで歯周病菌を把握することが重要です。お薬を服用した後は、歯周病の検査と歯石をとる処置が必要です。(お口の状態によって回数は異なります)歯石をとった後に再度、位相差顕微鏡検査による検査、リアルタイムPCR検査、歯周病検査を行い、どれくらい改善されたかを検査します。
治療のリスクや副作用:歯周病は再発のリスクがあります。お口の中が清潔であれば歯周病菌が感染する可能性は低くなりますので、定期的に歯科医院に通いクリーニングを受けることの他に、ご自身でしっかりと歯みがきを行い歯周病菌をコントロールすることが大切です。
治療の価格:75,000円(税込)※保険適応外です。
検査器具やレントゲンで、歯周病の進行度合いを調べます。
歯周病がどんな状態なのかをご説明し、治療計画をご案内します。
歯周病の原因となる歯石やプラーク(歯垢)を、専用の器具を使って取り除きます。
効果の高い歯磨きの方法をお教えします。
歯周病を再発させないために、定期検診や歯のクリーニングを受けることをおすすめします。
歯周内科について (国際歯周内科学研究会HPより引用)
歯周内科治療は位相差顕微鏡検査・リアルタイムPCR検査で、お口の中に感染している細菌・真菌・原虫などを特定し、動画管理システムに記録しそれらの微生物に感受性の ある薬剤を選択し、微生物叢を非常に綺麗な状態に改善することで歯周病を内科的に治す治療方法です。
治療前の非常に汚れた微生物叢が治療後 は非常に短期間で綺麗に改善し、術前・術後の状態が一目瞭然に画像で示されるという利点があることが知られています。
また、はっきりと自覚 できる程、歯茎からの出血や排膿が短期間で改善されます。以前は、長時間歯磨きや外科治療によって1~2年の治療期間でそのような綺麗な微 生物叢を獲得していたのです。
微生物叢が改善されたら、歯石を除去します。その場合も、微生物叢が改善されていると、冷たいものがしみるというような症状が非常に少なく なることが知られています。
(なお、前歯においては短期間で歯茎が縮むので歯が伸びたような感覚が生じることがあります。そのような場合には残念ながら通常の治療では 元々骨が溶けている状態ですので改善は難しいようです。その場合は特殊な審美外科を行う必要があるかもしれません。)
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午前 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
午後 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | △ | × | × |
午前:9:00~13:00/午後:14:00~18:30
△:14:00~17:00
休診日:日曜・祝日